第4章 時をかけあう恋~ときめく想い~

「…………」


一瞬、何が起きたのか理解できなくて、ポカンとする。


「………何、その間抜けな顔は…」

「へっ！？間抜け……って、そんなことより！なんで家康さんが謝るんですか？別に謝ることなんて………」


別に何も家康さんが謝ることなんて何もない。
なんで謝られたのかわからず、首を傾げる。


「…………から……」

「？？すみません。よく聞こえなくて……」


家康さんはボソボソっと何かを言ったけど、あまりにも声が小さすぎて、何を言ったのかさっぱり聞き取れず、何て言ったのかを聞き返す。


「だから……あんたが必死になって伝えようとしてたのを、素っ気なくしたから……それからあんたずっと黙ってるから、そんなに機嫌悪くしたのかと………」


さっきよりハッキリとした声だけど、それでもボソボソと気まずそうに話した家康さん。
理由を聞いて、家康さんにとんでもない勘違いをさせていることに気づく。


「ち、違いますっ！！全然家康さんに怒ってません！」

「は？」

「黙ってたのは、自分でも気づかないうちに考え事をしててっ！！だから家康さんのことで怒るなんてないし、家康さんが謝る理由も何もありませんっ！！」


力いっぱい、家康さんは悪くないことを説明したら、今度は家康さんの方が、目を見開いてポカンとした表情になっている。