第4章 時をかけあう恋~ときめく想い~
「でも、子供たち嬉しそうでしたよ?あんなに強い人に教えてもらえるんだー!って男の子たちは特に張り切ってましたし!」
家康さんが承諾したときの皆の反応、本当に嬉しそうだった。男の子たちは、ガッツポーズしたりしてたし、女の子たちは、恥ずかしいのか顔を赤くしてたけど……
でも皆、やる気に満ち溢れてたし、「今年は優勝だー!」って先生も張り切っていたし。
「…………強い人…ね……」
あのときの皆の反応を思い出してると、家康さんが小声でポツリと言葉をこぼした。その言葉に横を歩いてる家康さんの顔を見ようと、顔を見上げると
道場で逞くんを見ていたときと同じ、家康さんは、どこか影があって切なげな表情をしていた。
「………家康、さん……?」
道場では声をかけれなかったけど、なぜ家康さんがこんな辛そうな表情をするのか気になって、声をかけた。
「………何?」
だけど、私の方に振り向いた家康さんの顔は、切なげな表情ではなく、普段通りの表情。
「……っ、あ、えっと………」
一瞬見間違えたかと思ったけど、1日に二回も、同じような表情を見たから見間違えではないとは思う。
だけど、普段通りに戻っていたから、なんて言葉を続けていいのかわからなくて、口をまごつかせていると………
プルルルルルルル………
鞄の中から、私のスマホの着信音が鳴り響いた。