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イケメン戦国『時をかけあう恋』

第3章 時をかけあう恋~武将の顔~


「ずいぶん小柄だけど、彼は周りの子たちより学年が下なのか?」


小柄な少年を見て、父親が思ったことを男性に聞くと、男性は首を横に振る。


「いや、彼も周りの男の子達と同じで小学六年生。『逞(たくま)くん』といって、生まれつき身体も小さくて弱く、病気を患っていて運動制限があったんだ。だけど、二年前に手術して治ってね。そこから徐々に運動出来るようになって、身体を鍛えるために、一年前から剣道を始めたんだよ。」

「そうだったのか……」

「すごい、頑張ったんですね……」


父親と陽菜は、男性の話を聞き、少年を見る。
今、あれだけ汗を流して、一生懸命に稽古に励む姿は、病気と闘って打ち勝った、努力の賜物なのだろう。と二人は思った。

陽菜は黙っている家康の方をふと見ると



「(……家康さん………?)」



少年のことを、ただ真っ直ぐ見ていた。
だが、その表情は、どこか影があって切なげで……

その家康の顔を見て、陽菜は声をかけることは出来なかった。



素振りが終わると、少しだけ休憩の時間になり、生徒達はタオルで汗を拭い、水分補給をするのが普段の行動なのだが………



「あっ!!イケメンの兄ちゃんと、美人のお姉ちゃんがいる!!!」


ある一人の男の子が陽菜たちの存在に気づき、その声に生徒達が全員振り向くと、ほとんどの生徒達が陽菜たちに駆け寄った。


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