第2章 時をかけあう恋~小さな優しさ~
「あぁ……心配しなくても、あんたの身体に興味はないから。」
「へ?」
「興味はないから興奮することもない。だからあんたに手を出すことはないから。安心しなよ。」
「んなっ!!!?」
シレッと、本当にどうでもいいように話す家康。
「(確かに胸はそこまで大きくないし、別に興味を持ってもらわなくていいけど!!)」
しかし、家康の言い方に、自分自身は女としての魅力がない。とハッキリと言われた様に感じ、さすがに陽菜はムカっときた。
眉間に皺を寄せて、頬をプクッと膨らまして、家康を思いっきり睨むと、陽菜の顔を見た家康は、目を見開いて数回瞬きすると、口元を押さえて、思いっきり顔を逸らして
「……………ぷ…」
「へ?」
ぷっと吹き出す声に、思わずキョトンとした陽菜は、睨んでいた顔が、元の状態に戻る。
家康は未だに顔を逸らしたままで、声を堪えて肩を小刻みに震わせて笑っている。
「な、なんで笑うんですか!?///」
なぜ家康が笑っているのかわからず、陽菜は顔を真っ赤にし、家康に問い詰める。
「いや………別に…」
理由は言わずに、クスクスと笑っている家康に、拗ねたように、陽菜は口を尖らせていたが、家康の笑ったところが新鮮だったため、怒る気などは失せていく。
少ししたら、家康の笑いも落ち着いていった。