第2章 時をかけあう恋~小さな優しさ~
陽菜からの謝罪に、家康は目を見開き、顔を逸らす。
「……いや……俺も考え事してて、気づかなかったし…それに、あんただけが悪いわけじゃないから……」
「家康さん……」
家康の気まずそうな声に、陽菜は顔をあげる。
「…その……悪かった……」
「い、いえ!私こそ、本当にすみませんっ…」
小声で謝罪の言葉を口にした家康に、陽菜は手を左右に振りながら、もう一度謝罪する。
そして、謝罪できたことに陽菜は安堵した。
「あ、あの!その、私たち家族には気を遣わないでくださいね!昨日、お母さんも言ってたけど、自分の家のように過ごしてもらって大丈夫なので!」
「……………」
「必要なものがあったり、生活していく上で、わからないことがあったら教えますし!あ、でも、その辺は佐助くんが教えた方が分かりやすいかっ……」
「……………」
「と、とにかく!!本当に気を遣わないでくださいね!家康さんが居心地良くできるように頑張りますから!!」
力説しながら、家族…というより自分の想いを家康にぶつけた陽菜。家康は陽菜の行動にポカンと呆ける。
「……そんなに暑苦しく話さなくても、わかったから……」
「え?」
「…………戻るまでの間……よろしく…」
「っ!はいっ!!」
そっぽ向いて、小声でボソッと言った家康の言葉に、陽菜は嬉しさのあまり、顔を綻ばせた。
そして、陽菜はとても大事なことを思い出す。
「そうだ!あの!忘れてくださいね!!///」
「は?何を?」
「だ、だからっ…!私の、は……~~~~っ…///」
その先の言葉は、やはり続くことはなく、真っ赤な顔で、またまた顔を俯ける。
その行動に家康は、何が言いたいのかを理解した。