第2章 時をかけあう恋~小さな優しさ~
大きなショッピングモールに着くと
「ん~……こっちも似合うわね~……あ、こっちも!」
「おばさん、こっちなんかもどう?」
「あら!佐助くんが持ってるのもいいわね!」
すぐにメンズ服を取り扱ってるアパレルショップに入り、家康の身体に洋服をあてて、楽しそうにどちらがいいか悩む母親と佐助。
「ねぇ、これとかは?」
陽菜も、ラックにかかっていたメンズ服をいくつか手に取って、母親達に近づく。
「あ、そのサマーニット。家康さんに似合いそう。」
「あら、ほんと!それに、こっちの白Tシャツも、無地じゃなくて縦横に入ってるラインがいいじゃない♪それも買いましょう!あ、パンツも何着か買わないとね!」
そう言って、ボトムスもいくつか手に取って、家康を試着室へと押込み、店員を呼んで裾あげをしてもらい、お会計を済ませると、今度は靴を求めて違う店へと足を運ぶ。
靴選びも、サイズの確認などで、何足も脱いでは履き……を繰り返して、ようやく購入することができた。