第2章 時をかけあう恋~小さな優しさ~
翌朝
「…………ふわぁ~……良く寝た……」
土曜日の朝、休みのため、陽菜は遅めの起床。
棚付きベッドフレームの、棚のところに置いてるスマホを腕を伸ばして取り、時間を確認すると
AM:08:47
一度布団の中で伸びをすると、陽菜はゆっくりと起き上がり、カーテンを開けると、昨日降った雨が嘘のように、清々しいぐらいの青空が広がっていた。
太陽の陽を浴びるように、陽菜はもう一度伸びをすると、朝食と洗顔のために、部屋を出て階段を下りていった。
顔を洗って歯を磨いてからキッチンに行くと、洗い物をしている母親と、テーブルについて、食後のお茶を飲んでいる佐助と家康の姿が。もちろん、佐助と家康は部屋着姿ではなく、きちんと着替えている。
「おはよ~……………ございます。」
普段なら「おはよう」と短い挨拶だが、今日から家康もいるため、だいぶ間をあけてから「ございます」を付けた陽菜。
「おはよう、陽菜さん。」
「………………おはよ…」
表情が乏しい佐助と、無愛想な家康からの挨拶。
清々しい朝なのに、二人の挨拶は、なぜか清々しさを感じれない。
「おはよう、陽菜。早くご飯食べちゃいなさい。」
洗い物をしながら、母親は陽菜に声をかけ、朝食を摂るように促す。
食パンをトースターに入れ、焼き上がるまでの間に、カフェオレの用意をする。
コーヒーより紅茶派なのだが、朝だけは眠気覚ましにコーヒーを飲む陽菜。とはいっても、ブラックコーヒーが飲めないので、ミルク多めのカフェオレになっているのだ。
食パンも焼き上がったのでバターを塗り、母親が作ってくれていたベーコンエッグの乗ったプレート皿に食パンを乗せ、フォークとナイフを持って、ダイニングに向かった。