第1章 時をかけあう恋~ファーストコンタクト~
佐助の報告を聞いた三人は……
「……とく、がわ…?」
「いえやす…?」
「……タイムスリップ…?」
「「……………」」
ポカーンと間抜けな顔をして、家康と佐助を交互に見る家族たち。
家康と佐助は無言で、ただじっとしている。
すると
「「「ええぇぇっっ!!!?」」」
家族たちの叫び声が、ダイニングに響き渡る。
「徳川家康って、あの『徳川家康』か!?」
「教科書と違って、とってもイケメンじゃない♡」
「~~~~~っ!?」
父親は興奮した様子で、家康の方へと身体を乗りだし、
母親は家康のイケメンっぷりに、頬に手をあてうっとりした様子、
陽菜は、金魚のように、口をパクパクとして言葉にならない、
反応は三者三様であった。
「皆さん、落ち着いて。彼は正真正銘、俺が尊敬してやまない、あの『徳川家康』さんだから。」
佐助の一声で、三人は家康を見ながら、少しずつ落ち着きを取り戻していく。
「でも、彼がその『徳川家康』なら……戻れるのかい?」
「はい。さっき部屋で計算してみたら、三ヶ月後にもう一度現れるんです。場所と日時はまだハッキリとはわからないんですけど、現れるときに家康さんがその場にいれば、元の時代に戻れるはずです。で、おじさん達にお願いがあるんですが………」
「ん?お願いってどんなことだ?」
「はい。家康さんが元の時代に戻れるまでの間、ここで住んでもらうのはどうかと思ってるんです。」