第1章 時をかけあう恋~ファーストコンタクト~
陽菜の悲鳴と裸体に驚いた家康は、瞬時に浴室のドアを勢いよく閉め、陽菜は籠の中に入っていたバスタオルを急いで取って身体に巻きつける。
「(……ちょっ…!誰!?なんで裸!?///)」
「(あの人誰!?それより裸見らっ…!!///)」
二人の顔は茹でダコ以上に真っ赤になり、そして頭はパニック状態。
そして
「何かありました!?」
風呂場からの悲鳴に、急いで駆けつけてきた佐助は、脱衣場のドアを勢いよく開ける。
すると
「いやぁぁぁぁーーーー!!!!!///」
急に入ってきた佐助に驚いた陽菜は、洗面台のところにあるドライヤーを掴んで、佐助めがけて思いっきり投げる。
「ぐぉっ!!!?…いっ!?…陽菜…さ……なん、で…」
投げつけたドライヤーが、佐助のみぞおちを直撃。
続けて、直撃したドライヤーが、佐助の足の小指に落下。
みぞおちに手を当て蹲る佐助は、ドライヤーによる連続攻撃を受けたため、言葉が続かない。
「佐助くん!!あの人誰!?///」
「佐助!!その女誰だよ!?///」
そんなことにはこれっぽっちも気づかないパニック状態の二人は、この裸の人物が誰なのかを佐助に聞く。
「……陽菜さん…後で説明するから…すまないが今は、一旦ここから出て……彼が、着替えれない……」
佐助の途切れながらの言葉に、陽菜は閉じられた浴室のドアを見る。
裸体の家康の肌色が、磨りガラス越しにぼんやりと見えて、真っ赤な顔をさらに赤くしながら、陽菜はバスタオルのまま脱衣場を出ていった。