第1章 時をかけあう恋~ファーストコンタクト~
「………はぁ……身体洗うのも疲れた……」
慣れないシャワーに苦戦した家康。
全身をなんとか洗い、冷えた身体を湯船に浸かって温まっている。
「(……それにしても…これからどうすれば……)」
帰ることは、正直佐助に任せる他はない。
だが、すぐに帰れるのか、あるいはとても時間がかかるのか……
とても時間がかかる場合、どうやって生活していくか……
「(……まぁ、そういうのも全部ひっくるめて、佐助に相談するしかないか……)」
湯船に浸かりながら、そんなことを考えていた。
だからであろうか………
家康は、陽菜が脱衣場に入ってきたことに気づいていない。
普段の家康なら、すぐに人の気配に察知しているのだが……
現代に来て混乱し、佐助の説明によって少しは冷静になったのだが……風呂事情に悪戦苦闘したため、熱めの湯に浸かって幾分かリラックスしていた。
「(……そろそろ佐助が着替えを持ってきてるか…)」
佐助がゆっくりしていい。と言ってはくれたが長湯しすぎるのも失礼だろう。
そう思い、湯船から上がりドアに手をかけようとしたとき
ガチャ
家康が触れてもいないのに浴室のドアが音を立てた。