第7章 時をかけあう恋~呼び名~家康side
「~~っっっ!!!!?/////」
……………ト…クン……………
腕に閉じ込めると、頬が少し赤みを帯びた彼女。
その表情に、なぜか鼓動が少し跳ねた。
「(……?…なんで……)」
鼓動が跳ねるときは、いつも笑っていたときだけだったから、自分のことなのに少し戸惑った……
「ほら、早く。」
「~~っっっ!!!!///」
だけど、気にしないようにして、彼女に俺の名前を呼ばせようと、顔を少しずつ彼女に近づける。
すると、さっきより赤くなった彼女の顔。
頬は赤く染まり、少しだけ瞳が潤んでいて……
恥ずかしさからか、ギュッと目をキツく閉じて、顔を少し俯かせた。
「ほら、言って………」
「っっ!!///」
未だに呼ばない彼女に、催促の言葉をかける。
すると、キツく閉じていた目が、ゆっくりと瞼が上がっていき、上目遣いをした潤んだ瞳と目が合った。
「(……っ…!?///)」
……ド…クンっ……!…
その表情と仕草を見て、俺の鼓動は今までで一番大きく跳ねた……。
「(………なんで…こんなに心臓が………)」
どんどん速くなる鼓動。この近さなら、彼女にも心臓の音が聞こえるかもしれなくて、なんとか制御したいが、その方法がわからない……
「………陽菜……言って…」
「っ!!」
制御出来ないまま、自然と口から滑り出た彼女の名前。
口にした瞬間、彼女の名前がとても大切なもののように感じ……
名前で呼んだら、彼女が胸元で手をギュッと握り、彼女の小さな唇が少し動くのが見え………
「…………い、い……家康っ……///」
震える小さな声で、俺の名前を呼び捨てで呼んだ。