第7章 時をかけあう恋~呼び名~家康side
『…………い、い……家康っ……///』
呼び捨てで呼ばれた瞬間、自分の名前が、とてつもなく特別に感じて、心臓を鷲掴みされたみたいに、胸の奥が熱くなって……何かの感情が沸き上がってくる。
とても温かな感情が………
「………うん。そっちの方がいい。」
その感情に気づかないふりをし、俺の反応を緊張した面持ちで待っている彼女を安心させるようにと、本音をこぼして彼女の頭を撫でた。
「~~~っ!!///」
すると、みるみる赤くなっていく彼女の顔。
その表情が、また俺の心臓は跳ねさせた。
俺と違って、癖のないサラサラの綺麗な髪の毛。
撫でれば撫でるほど、彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめる。
その表情がなんだか、可愛らしくて……愛しく感じて………
ますます溢れ出してくる温かい感情……
その感情に、気づかないふりは出来なくて………
「(………こんなにも、心臓の音がうるさくなるのは……)」
この感情の意味を理解した途端。
「お、お風呂沸かしてくるっ!!!!///」
そう言って、ものすごい勢いと速さで、俺の腕の中から彼女は逃げた。