第2章 〜 再会、新しい出会い 〜
「そんな約束してたんだ…」
『うん。 飛雄は、英達を置いていくつもりはなかったんだよ相手校の強さに焦って周りが見えなくなっちゃっただけって勇太郎に言ったのに《 そんなの知らねぇ! 置いてったことに変わりないだろ! 》って……』
今は二人がすれ違ってる状態だけど、いつか笑いあってほしい……
そう言うと英はため息をついて
「なんでそんなに人のことに一生懸命になれんの」
と聞いてきた。
『なんで…かはわからないけど、大切な親友だもん当たり前でしょ? 確かに私は飛雄でも勇太郎でもないよ? けど、なんとかしたいって思っちゃうんだ。 それがお節介だって言われたとしても』
と目を見て答えた。
すると英は
「そういうところ嫌いじゃないけど、いつか自分を犠牲にしそうで怖いんだよ…」
と小声で言った。
その時の私には聞こえないぐらいの小さな声で…
「はぁ… って、そろそろ準備するから葵もしなよ。 新入生代表でスピーチするんだろ? 俺もだけど」
その言葉にハッとし、時計を見ると五時二十分だった。
『あ! 本当だ! まだ制服は着ちゃダメだよ! 朝ご飯食べるんだから、その後でね! じゃあねー』
そう言って私は英の部屋を出た。
私が出た後で…
「ほんっと中学の時から自分のことは二の次なんだから…… けど、そんな葵が好きになったんだよな…俺……」
って呟いていたことを知るのはまだ先のお話……