第2章 〜 再会、新しい出会い 〜
✾ 月島side ✾
今のふたりの会話を聞いて少しだけムッとした。
べ、別に嫉妬とかそんなんじゃない……けど………
しかも下の名前で呼ばれてたし……
月島「ねぇ」
気がつけば葵に声をかけていた。
月島「夏川…だっけ? あいつと仲いいの?」
葵「仲いいっていうか… 話し相手になってくれただけだよ? 初めて話した時も緊張してうまく話せなかったんだけどちゃんと最後まで話せるのを待っててくれて、すごく優しい人なんだ!」
葵は演技が上手だ
まぁ、元女優だったからってこともあるけど…
『何より自分と全く別人になれることが嬉しいし、楽しい』と、言う程に。
だけど、他人の嘘を見破るのはすごく苦手
僕とか山口とか付き合いが長い人は大丈夫みたいだけど。
大人になって直ぐに詐欺に巻き込まれそうだと心配になるくらい
その夏川って奴がすごく性格の悪い奴だったらどうするのさ
と心配になったけど言えるはずもなく「あっそ。」と言うことしかできなかった。
葵「?? あ、けーちゃんもたーくんもバレー部入るんでしょ? 見学行くの今日?」
山口「ううん、今日は行かないよ。 明日に顔出しに行くんだ!」
と、首をかしげて聞いてきた葵に山口が答えた。
葵「そっか! 私は今日見学に行くんだ! だから、また明日ね!」
そう言って彼女は笑顔で大きく手を振りながら教室をでた。
山口「ツッキー大丈夫?」
月島「なにが…」
突然そんなことを聞いてきた山口に聞く。
山口「なんか、怒ってる?」
山口は普段大人しくておっちょこちょいなとこもあるけど、人のことはよく見てると思う
月島「別に? 今怒る必要があることなんてなかったでしょ」
「ほら行くよ」と言って鞄を持ち廊下へ向かう
山口「ま、待ってよ! ツッキー!」
そう言って慌てて着いてくる山口の気配を背中に感じながら、僕たちは帰路へついた