第2章 〜 再会、新しい出会い 〜
✾ 夏川side ✾
国見 葵ちゃん……
教室に彼女が入ってきた時、大袈裟かもしれないけど心臓が止まるかと思った。
苗字や雰囲気が違うからクラスの奴らは気づいてないみたいだけど…
“ 白崎 葵 ”が目の前にいる…
昔の俺は口下手で人に言いたいこともちゃんと言えなくてずっとおどおどしてた。
けど、今はちゃんと言いたいことも言えて友達もたくさんできて昔の自分とは別人のように変わった。
こんなに変われたのはテレビによく映ってた“ 白崎 葵 ”のおかげだ。
小学校で少し馬鹿にされて家で泣いていた時に母が「見てみなさい、あの子すごく元気で明るいでしょ? あなたと同い年なのよ?」と言ってテレビを指さした。
そこにはすごく笑ってて周りの人たちをも笑顔にさせるぐらいの元気をもった女の子が映っていた。
母は「あの子見たいに今は守られてる側だけど今度は自分が守る側にいけるくらいの強い子になりなさい」と言った。
それから俺は自分以外にいじめられてる子を守ったり、自分から声をかけて友達をつくったり色んなことをしてきた。
そして今、本人を目の前にして驚いた。
彼女はバラエティだったりドラマだったりいろんなテレビにでてきた。
バラエティでは会場にいた人たちやテレビを見てる人たちを笑わせてくれるぐらい楽しくて、ドラマではまるで別人のようにかっこよくて勇ましくて…
そんな彼女の大ファンだった。
だけど実際に話してみると人見知りなのか言いたいことが上手くまとまっていないのかわからないけどあわあわしてて、すっごい可愛いと思った。
しかも「よろしく」って言ってかれた時少しだけだけどにこっと笑ってくれて…
もうすっげぇ可愛い(二回目)
そう思いながら彼女を見ているとさっきまで可愛いやら小さいやら騒いでたクラスの奴らがまた騒がしくなった。
女子生徒A「あの子たちイケメン!」
女子生徒B「本当だ! 後ろにいる子もアホ毛ぴょんぴょんしてて可愛い!」
女子生徒C「うちのクラス顔面偏差値高くない!?」
視線を向けるとデカい奴二人(後ろの奴は俺より低いだろうけど)がこっちを見て固まっていた。
正確には俺と話してた葵ちゃんをだ。
??「葵……?」
葵「へ?」
呼び捨てにしてるし、知り合いか?