第2章 〜 再会、新しい出会い 〜
✾ 久美side ✾
「よし! ご飯もできて英も来たし、秋人さん呼んでくるわね!」
『あ、はい!』
「あーい」
葵ちゃんと英の返事したのを聞いて、キッチンを出て秋人さんの部屋へ向かう。
「秋人さん! ご飯できたわよ」
と、ノックしてから言うとすぐにドアが開いた。
「お、ありがとう!」
部屋から出てきた秋人さんに言う。
「葵ちゃんに言ったわ。 « 誕生日の時に大事な話がある »って…」
いきなり少し低めのトーンで話した私を見て驚きながら秋人さんは「そうか…」と呟いた。
「また、悲しい思いをさせてしまうね…」
「ええ。 けど、言わないより言った方が絶対にいいと思うの。 ‹ 再発 ›してしまう前に…」
私の部屋の机の引き出しにしまってある『カット』と大きく書かれた原稿用紙を思い出しながら言った。
ごめんね、葵ちゃん……
中学生の時に何回も言おうとしたんだけど、怖くてできなかった
葵ちゃんがまた壊れてしまうんじゃないかって……
今も初めの頃と比べたらすごく強くなってるけど、もっとあの子の心を強くさせる出会いがあることをずっと願ってる。
莉子ちゃん…ごめんね。
遅くなってしまって…………
私ももう逃げないから葵ちゃんをちゃんと見ていてあげて……