第18章 十八歳前日、十八歳
「ダーメ!一分さえ惜しいんだから、ホラ行くよ、紙持った?抜けは無いね」
「うん、てかコレ何回も確認したから大丈夫だよ」
「何言ってるの!万が一、間違いがあったら、オレたち今籍入れれないんだよ?念には念を入れてみないと、ね?」
カカシ君の圧倒される気迫に負けた私は、つい苦笑いを浮かべる。
「旦那様、明日からよろしくお願いします。」
「うん、よろしくね。……ってそんなこと言ってる場合じゃないの!ホラもう抱えるよ!」
カカシ君が近づいて、手で荷物を抱えるように軽々と抱っこされ、驚いて慌てていれば、ゆっくりと口角を上げて悪い表情を私に見せる。
「あーそっか、もう花奏さんに負けるモノって何もないんだ。帰ったら嫌っていうぐらいしちゃお」
「…な、何言って……カカシ君?」
「花奏さん、背中掴まって、ちゃんと。」
「う、うん……って、わわ!ま、待って!」
体力が有り余ってる青年は瞬く間に駆け出し、夜道の屋根を華麗に飛ぶ姿はまさに、忍そのものだった。