第18章 十八歳前日、十八歳
今日はカカシ君の十八歳の誕生日の前日……の夜中。
食卓の壁にかけられた薄い木目調の掛け時計は、午後二十三時五十分を指している。
築四十年のガタついたアパートは、あと数年で建て替えるらしい。このアパートともあと少しでお別れかと、思うとなんだか名残惜しい今日この頃である。
結婚を機に明日から新築一軒家に住むので、私のテンションは跳ね上がるように楽しみだが、片付け、掃除、整頓、引っ越し準備、げっそりとお疲れだ。
周りには段ボール箱が沢山積まれて足の踏み場がない大変な状態。
ゴミも大量に出てしまい、何処にそんな捨てる物があったのか、と体力をすり減らしながら引越しの準備に最近は追われ、やっと先ほど終わりを迎えた。
そのタイミングに合わせ、カカシ君が先ほどから落ち着かない様子で、私を急かしている。
「花奏さん!いつまで支度してるのー、もう早くしないと過ぎちゃうでしょ?」
「ねー、明日でいいじゃない、そんな急かして出さなくても逃げないよ」
軽く欠伸をして、眠く疲れた姿で、玄関で靴を履いたカカシ君の方へ向かえば、叱咤が飛んでくる。