第17章 甘え
花奏さんは、
オレの亡くなった父さんが、恩師だからと慕ってくれて、オレがガキの頃ご飯を作ってくれたり、泊まる準備をしてくれてたりずっとしてくれたでしょ?
修行もずっと見てくれて、小さなオレは凄く嬉しかったんです。
オレの技が完成させた時、あなたはとても喜んで笑ってくれたから、時間を忘れてしまうぐらいオレは楽しかったです。
十七歳から、あなたは、いつもモテないから気にしないで、と、言って、全部オレを優先してくれた。
だけど、やっぱりあなたは影で色々断っていた。手紙や告白を断わり、お見合いの話だって今日知ったんですよ?何回断ってんのよ、オレは本当に驚きましたよ。後で怒ろうとしてたのに、あーあ、忘れてましたよ。
花奏さん
花奏さんの青春って全部、オレの事で終わってるって気づいてないでしょ?
本当にあなたはオレしか見ていない。
そんな風にいっぱい頑張ってくれてるのに、まったく表に出していない。
何一つオレに見せようとしない。
そんな愛らしい姿を見て、オレが惚れないわけ無いじゃないですか。あなただけなんですよ、こんなにも愛をくれた人は、花奏さんだけなんです。
心の底からお慕いしていますよ、花奏さん……。」