第2章 七歳
「今日こそは泊まって行ってね?パジャマもホラ、用意してるし。お風呂もバッチリ沸かしてるのよ。」
夕食を済ませ、のんびりお茶を飲むカカシ君に私は真剣な表情を浮かべる。
新品だが、一度洗濯した、薄い藍色ストライプのパジャマ、肌着上下、子供用歯ブラシ、彼が私のお家に泊まれるお泊まりセットを、目の前まで見せつけた。
「っ!!…ゴホゴホ!…な、何でそんなことを勝手にするんですか!オレは一人で寝れるし、今日も帰りますよ!」
「あ、ああ!やだ大丈夫?……えー、じゃあ家まで送るよ。もう八時だし外、危険だし真っ暗だし。」
その提案をさらに小さな男は否定する。
「花奏さんこそ、独身女性十七歳でしょ?上忍とはいえ、夜道を一人で歩かせるわけにいかない。」
「えー??大丈夫でしょうー?」
「暴漢に襲われたらどうするのよ」
「またまたそんな、難しい言葉知ってるのね、カカシ君は。」
まだ七歳なのに、一人ぼっちで家に帰って寝ている。私が彼の家に最初は、夕食を持ち運んでいたが、帰らずに一緒に寝ていたら、いつの間にか私の家に来るようになった。