第2章 七歳
ジトーーーと私は
釣れないカカシ君を見つめる。
知らんぷりする小さな背中に、可愛く声をかける。
「ねえ、カカシ君」
「はい、何ですか?」
「好き、大好き。」
「っ!!……はぁぁー…はいはい。それはどーも、ありがとうございます。」
カカシ君は振り返って、大きな溜息をつき呆れた顔も、大人びて、そこも可愛いくてカッコイイ。
ギュゥーっと、ひっついて頭をナデナデすれば、私は満足して台所へ戻る。
ちらっとカカシ君を見れば耳までゆでダコのように真っ赤っかだ。仕返しした悪ガキ女は鼻歌を歌いながら料理を仕上げていく。
「もう出来るから、待ってね?」
「じゃあ、オレも手伝います。」
「あ、ありがと。それと、あと、コレも。」
私のお家に来る時、カカシ君に口布を外してもらっている。そうしないと、この少年の表情や体調が私は分からないからだ。
彼の体調変化をしっかり把握しておきたい。保護者として私はカカシ君のそばにいるし、何より、三代目火影様からも、そうするように任命されている。
カカシ君に口布をされちゃうと、顔が殆ど見えない。やっぱり表情が分からない。だから、私自身も口布をして欲しくなかった。