第2章 七歳
「何で一緒に寝てくれないの?」
「全然寝れないからです。」
「え、ごめん!寝相かイビキ、やばい?」
「…オレの問題です。」
可愛い声が一瞬暗くなり、私は落ち込んでいる。やはりこの壁はそう簡単には払えない。
最初、カカシ君と寝ていた時、うなされて何度も夜中に声を出していて、今もきっとうなされているはずだ。悪夢を見ていたようで、手を繋げば安心したように寝ていたが、その時私は本当に辛くてみていられなかった。
今日の私は諦めない。何故ならパジャマまで買っちゃったんだから。
「三代目に言いつけるよ?猿飛様は怒ったら本気で恐いんだからね!サクモ先生なんか目じゃないからね!三代目に言うよ!?カカシ君、叱られるよ??さあ、どうする?どうする?」
さすがにカカシ君も、私の気迫の意地悪な選択に屈したようで、大きく息を吐いた。
「週一、オレが泊まる日は一週間に一度だけ。それで良いなら、泊まります。毎日なんか想像したらゾッとしますよ。」
「何でゾッとするのよ、ひどいなぁ。じゃあ今日は泊まってね?」
「ハイハイ。」
「ふふ、ありがとう。私も一人暮らしだから、カカシ君がいると全然寂しくないんだよね、嬉しいな。後で一緒にお風呂入ろうね。」
「………………………ええ?」
「洗いもの片付けるねー。」
ジャー、ガチャガチャ…
洗剤と水をスポンジにつけ、コップやお茶碗を洗っていると、カカシ君も食べたお皿を持ってきてくれた。