第17章 甘え
「カカシ君、気持ちいい?」
「はい、気持ちいいです。花奏さん」
カカシ君は、ソファに座る私の膝の上に頭を置いて寝転び、私の問いかけに含んだ笑みを浮かべ、なんだか少し照れてるけど嬉しそうだ。
お弁当屋さんで、チキン南蛮弁当を二つ購入した後、アパートへと戻り、パパっと夕食を早めに済ませた。
その後、私はカカシ君の泣き腫らし充血した瞳を治すために、冷たく濡らしたタオルと、暖かく濡らしたタオルを、交互にまぶたの上に置きながら、腫れが引くのを待っている。
宣言をした通り、未来の旦那様は、夕食後、ちょっと遠慮しながらも、私に甘えてきてくれた。
最初の可愛い要求は、私の膝の上で寝転ぶ事。そして頭を優しく撫でる事。
十五歳の男の子は、この事を前からずっとやりたかったようで、ちょっと恥ずかしそうだ。私はその様子を見て、なんだか口もとが緩み、ついニヤついてしまう。
こんな風にカカシ君に膝枕をしてあげた事が一度も無かったし、彼の意外な一面を見れて、キュンと胸が鳴る。
カカシ君が目の上にタオルを置きながら、私に柔らかい声で話しかけてきた。