第16章 挨拶
「やっぱイケメンだって。ふふ。あんたちゃんと、自分磨きしてないとフラれるわよ。」
クスクス笑う母を辟易してみた。
「分かってるよ、それくらい。ってか相変わらずお兄ちゃんはマイペースだね。自由奔放って言うかなんというか。」
「カカシ君は部下だったから気になるんじゃない?珍しいわよ、お兄ちゃんが、自分から挨拶に行くなんて。」
「本当だよね。お兄ちゃんって自分が興味示さないと一切動かないからね。」
クスクス私とお母さんは話に花が咲いたように女子会を楽しんだ。
結局、兄も最後まで客間から戻って来なくて、話し合いが終わったのは、私が退席してから二時間も経った後だった。