第16章 挨拶
「じゃあ、また後でね、カカシ君」
「花奏さん!」
「はい、どうし………んぅ…」
ーーカカシくん……
くるりと彼の方に顔をむければ、途端に道のど真ん中、街の真ん中で、カカシ君からの激しい濃厚なキスをプレゼントされる。
両頬をカカシ君の両手で添えられ、一切抵抗出来ないようにしている。
「花奏さん…好きだよ…オレは絶対離さないから……」
「カカシ君……んん、…!!」
角度を変えながら吸い付くようなキスを何度もされて、クチュ…と口付けの音が聞こえ恥ずかしくなる。
今のカカシ君は、少し違う。
外では冷たいはずなのに、今日だけ全然違う。
こんな真昼間から手さえ繋いだ事さえないのに、みんなに見られるのに、一切気にせずにディープキスを楽しんでいる。
彼からの激し過ぎる口付けに為すがままに翻弄され、されるがまま頭が真っ白になっていく。
「花奏さんって…本当に可愛いね」
ふわりと離して満面の笑みを浮かべ、カカシ君は笑って私を見つめた。
彼の瞳がすこし濡れているように見えた。
「え……⁇…カカシ君……?」
「ん?じゃあ、また…後で。」
私に優しい顔を見せ、すぐに背中を向け、スーパーのお店の中へ入っていった。