第15章 次の日
「えーー⁈違うよ、違う!絶対違う!」
「私もあったよ?お母さんと一緒に歩くの嫌だったし、恥ずかしかったもん。なるほど。そっかー思春期かー…」
「だから違うって!……だけど…
だけど、アイツの事思い出したら、今でも腹が立つよ。花奏さんは知らないと思うけどね。」
「アイツって?何か嫌な事言われたの?あんまり気にしちゃダメだよ?うん、気にしたら負け負け!」
そう明るく言っても、カカシ君がだんだん目の色が変わり、殺気立つ表情が表に出て、あからさまにイラついた顔をしている。私はだんだんと困り果て、焦ってしまう。
いったい何をそこまで言われたか内容を確認したかったが、彼は最後まで中身については口を閉じた。
「オレの事ならまだしも、花奏さんの事を……最低だよ……殺してやろうかと思ったけど、一応アイツも大事な仲間だからね、ちゃんとしっかりお願いしたから、大丈夫だよ?」
瞳は鋭いまま笑う彼を見て、脅威を感じ震え上がってしまう。カカシ君が言う、"しっかりしたお願い"とはどんなものか、彼がどんな風に伝えたのか、私は想像してみるが、恐怖の惨劇しか出てこない。
「怪我してないよね…その人…」
「えーやだなぁ、暴力なんかオレしてないよ。オレは平和主義者だよ?そんな顔しなくても大丈夫だって。」
「右手は…バチバチ青く光ってはないよね?大丈夫だよね?」
「あー雷切??ふふ、オレがどれだけ本気か分からなきゃ、理解出来ないでしょ?言っても分からないなら身体で感じてもらおうとしたけど、すぐに分かってくれて良かったよ。」
クスクス笑ってるけど、ダメだからね!
——それは本気じゃないよ、殺意だよ!完全な脅しだよ!
身体で感じたら死ぬから!!
カカシ君に悪口を言った人間が、どれ程真っ青に震え上がったか考えているが、恐怖しか出てこなかった。