第13章 初めての気持ち
私からカカシ君が距離を置いたあの日、
ずっと…ずっと
子供のように泣いて泣いて
あんなに泣いたのはカカシ君が目に大きな傷を負ったあの日以来だった。
ーーカカシ君と離れたくないよ……お願いだから…待って、待って!嫌だよ、どこにも行かないで…。私から離れようとしないで…お願い……。帰ってきて…好きなの…大好きなの……。
どっちが大人か全然分からないぐらい、ボロボロ悲しんで、立ち去る事が出来なくて困る彼を、縋るように引き止めていた。
身が引き裂かれるように苦しくて、悲しくて、何よりも辛い感情が溢れ出す。
それでも、拒んだ理由は、カカシ君と同じ。
カカシ君が若すぎた。
まだ身体が出来ていないのに、
そういう行為をする勇気が私には
どうしても出来なくて拒んだ。
そして十歳年下という
年齢がいつも邪魔をする。
彼を男として、はっきり意識したあの日、私は年の差をいとも簡単に乗り越えてしまう。
彼が大人の身体に、しっかり近づいた事に気づいてしまえば、理性の鍵は簡単に壊され、破壊される。
少年から男になる彼を見てしまえば、心底に沈ませた感情が一気に溢れ出す
私はもう…もう…素直に
求めていいんだね。
カカシ君にいっぱい
愛されても大丈夫なんだね。
カカシ君をこれからは
ちゃんと
大人として接しなきゃ
駄目だね。
男として異性として
カカシ君、心配しないで
大丈夫…
ちゃんと見てるよ…