第12章 場所
「先にお風呂をカカシ君から……。
絶対ダメ!私が先に入るから!!」
食事を終え洗い物を済ました後、お風呂の順番を考えた際、カカシ君の裸を想像したくない私は、自分を先に優先させた。
「え⁈…ああ、うん。どうぞ。」
着替えとバスタオルを持って脱衣所に向かい、ドアを開けようとした時、背後から声が聞こえる。
「うなじの右側。」
「え?」
くるりと振り返ればカカシ君がソファから立ち上がり近付いてくる。
「…??」
「二の腕、右手首、左指、左胸の鎖骨部分、背中、ふくらはぎ、あと…内腿の際どい場所…うーん……、あとは忘れちゃった。残念。昔は全部覚えていたんだけどね。」
クスクス笑ってカカシ君が、指で私の身体をなぞるように、その場所に優しく触れていく。
ゾクゾクする感覚を覚え、頬が熱く震え出し、思わず持っている着替えとバスタオルを落としそうになる。
ニッコリ口角を上げて、大人びた端正な青年は、満足そうにニヤリと悪い顔をした。