第11章 特別な誕生日
"このみさんの誕生日で、オレはあなたを抱くから"
カカシ君の決意した言葉が頭から離れない。
「っ!!!!ああああ!!えええ⁈⁈」
私はこれほど動揺した誕生日を迎えた日は生まれて一度もない。
「待って……待って待って、下着!!こんな下着最悪…何なの、カカシ君に笑われる、幻滅される、ダメ!恥ずかしい!」
急いで朝から、下着を買い物しに行くけれど、財布を忘れてまた引き返す。
次は鍵を閉め忘れてとんぼ返り……
もう、心ここに在らずで、ずっと、ずっと、カカシ君だけ、彼だけの事を一日中考えている。
私は朝食、昼食を食べるのを忘れてしまうぐらい、ひたすら掃除したり、カカシ君が来る準備に忙しかった。
お腹すいてやっとパンを食べるが、味がしない。モシャモシャしている。
今日と明日、私はわざわざ休みを申請している。どれだけ準備万端なんだろう。自分が恥ずかしくなる。
ずっと頬を赤くし口が緩ませ、側から見たら笑ったり恥ずかしがったり、変な人間に見られていたと思う。
困った顔をしたり、照れた顔をしたり、恥ずかしがったり、とにかく顔が忙しかった。
頭の中で、私はひたすら彼とそういう行為を想像してしまい、ああああ!と叫び悶え苦しんでいた。
それに違和感なく自分が受け入れているのが、また恥ずかしくて、湯気が出そうなくらい真っ赤になっていく。
「おかしいよ、カカシ君の事意識しちゃって、変な感じ…無理、全然平常心でいられない…!!」
カカシ君はもしかして、ずっと、こんな感じで私と接していたの?
自分の立場になって初めて分かる。
自分がいかに無神経な振る舞いをしていたかを。
自分が恥ずかしくなった。