第11章 特別な誕生日
今日は私の二十五歳の誕生日。
二十五回も誕生日が来たのだから、だんだんと嬉しさが半減して反応が鈍くなる。
まあ、毎回カカシ君がいつも私にお祝いしてくれていたから、楽しい一日だったけどね。
だけど、だけどだけど!今日は違う。
今日だけは私は頭が変で、本当におかしい。
朝目覚めた瞬間から、頭のネジが数本抜けたように兎に角おかしい。
「あれ、今日…もう朝!?えーー……」
カウントダウンのように、私は自分の誕生日が近づくたびに、日に日に動揺する気持ちが溢れ出し、ザワザワと心が騒いで落ち着かなかった。
「あーーー、違う違う!!」
頭に何度も浮かび上がるカカシ君の上半身姿。幾度となく消そうとしても中々消えてくれない。
カカシ君の優しい声や、彼の落ち着く匂い、後ろからギュッと抱きしめられた感触、トロけるような甘いキス、あの日を全部、一切忘れていない。
まるでさっきまで、カカシ君としていたかのように覚えている。
またさらに思い出してしまい、
ついカーーーと赤くなる。
こんな恋する乙女みたいな反応を、カカシ君に今まで一度もしたことがない。
完全にカカシ君を男として意識してしまった。それまで私は彼にどう接していたのだろう。今までを思い出しただけで顔が真っ赤になってしまう。