第10章 十五歳 誕生日
「花奏さん、どうしたの?オレの裸なんか何回も飽きるほど見てるでしょ?こんな反応してくれた事、一度もないよ?」
何でこんなに言っているのに、分かってくれないのか、私はこの時、全然気づいていない。
何回も何回も、小さいころは今まで一緒にお風呂に入って彼の身体を飽きるほど見ていた。
十三歳のときだって、一度だけだけど、一緒に入っている。
その時は何にも私は、彼の裸を見ても、照れたり真っ赤にしていない。
それなのに、十五歳のカカシ君の
上半身裸というだけで、
私は異常に反応していた。
それは、私が、カカシ君を
初めて本気で
ひとりの男性として、意識している事への何よりの証明であった。