第10章 十五歳 誕生日
カカシ君がシャワーから上がるのを、一人ドキドキしながら座布団の上に座って待っている。
久しぶりに中に入るこのお家、あんまり昔と変わらない。ふと棚を見れば私が去年プレゼントした写真立てが目に入る。
「あ、カカシ君だ。可愛い……」
彼にとって、一番大切な写真を入れて使ってくれている事に気づき、つい口元を緩ませる。
四人で仲良く記念に撮影した写真が大事に飾られている。
仲間と映る少年はちょっとご機嫌斜め。
だけど私にはただ照れてるだけのように感じた。
「花奏さん、ここに来るのは久しぶりだね。」
カカシ君がシャワーを浴びてタオルで髪の毛を乾かしながらの出てきた。その声に反応して、私はカカシ君の方を見るが、瞬時に固まる。
「っっ!!!!」
そのお風呂上がりの姿に、目を大きく見開き、奥歯を噛み締め、瞬く間に顔に熱が集まり真っ赤になる。
すぐさま目を逸らし、腕で自分の目を隠す。
「カカシ君、上…上!服着て!」
「えっ!!??花奏さん??」
上半身裸で近づいてくるカカシ君に、私は頬どころか顔中真っ赤になって叫び出す。
「今すぐ上のシャツを着て!!」
「え、だって暑いし…涼みたい……」
「ダメ!絶対ダメ!今すぐ着て!」
「ええ⁈⁈ど、どうしたの??何を今更……」
真っ赤になって、私が恥ずかしがっているのに、全然分かってないカカシ君に、更にイライラして叫び出す。
「どうしたのじゃない!とにかく着てよ、そんな格好でウロウロしないで!私とずっと長いから、カカシ君は平気かもしれないけど、私も女なのよ、恥ずかしいから止めてよ!!」
「えええ??……あ、うん。」
ポカンとした顔をして、カカシ君はやっと上着のTシャツを身につけて、私の横に座った。