第9章 十四歳
夕食後、カカシ君からもらった光沢のあるブランドの紙袋から箱を取り出す。
「カカシ君、ありがとうね、あ、あけるね?」
私は先ほどから顔が強張り、手が震えている。
紙袋に書かれたお店の名前は、流行に疎い私にさえ知られている、誰もが憧れる高級一流ブランドだ。
緊張しながら蓋を開けると、ピンクゴールドの柔らかなネックレスが入っていた。
しずくをモチーフにして、しずくの中にはダイヤモンドがきらめいていて輝いている。
「うわぁ…綺麗……可愛い…!」
「いいでしょ?オレ、絶対コレ花奏さん、好きだって思ったんだよね。」
「うん、好き!ありがとう!…っていやいや!ダメだよ!これいくらしたのよ。ピアスにブレスレットに、毎年値段が上がってない?安物でいいのに!!」
今、私が耳にしてる
ピンクゴールドのピアス
腕につけている
同じ色の華奢で控えめなブレスレット
毎年カカシ君が、私にくれたプレゼント達だ。
私が購入してカカシ君に渡した誕生日プレゼントは、ちょっと良い値段の写真立て。
ーー全然釣り合いが取れたプレゼントじゃない!
あんなに去年、絶対安物にしてって警告したのに、更なる高級なプレゼントになるなんて全く考えていなかった。
焦ってギャンギャン騒いで戸惑ってるのに、気にせずにカカシ君はクスクス笑ってる。