第9章 十四歳
「んー?なぁに?どうしたの?ふふ、見ちゃって。」
柔らかく微笑んで、彼を見つめれば、たちまち彼は顔を真っ赤にさせていく。
「見てない、仕事で疲れてボーっとしてただけ。」
「あーそうですか、あ、見て!誕生日ケーキ買ったから後で食べよ?カカシ君甘いの苦手だからチーズケーキならいけるかなーって思って、買ってきたよ!私はショートケーキ!」
「ありがとうございます。
これ、ハイ。」
ケーキをまた冷蔵庫に戻し席について、いただきますを言おうとすれば、カカシ君がプレゼントを私にくれた。
「え、いや、悪いよ、受け取れないよ!」
「花奏さんの為に買ったから、受け取って。」
「えー、ごめん、そんなつもりなくて、後でゆっくり見るね、ありがとう。だけど、毎回悪いし、私のは気にしなくていいからね?」
「花奏さん、オレの誕生日、もしかして待っていましたか?匂いが残っていたから。多分入れ違いになったと思います。ありがとうございます。」
「え?ああ、ゴメン…誕生日プレゼント渡したくて、私の誕生日とイブしか会わないって言われてたのに…、迷惑だったよね、ゴメン。」
「花奏さん、顔上げて?」
「え?」
ガタンと椅子から立って、私の頬に手を当てて、チュッ…と、軽く口付けをしていた。