第7章 十三歳
「好きです。花奏さん、オレは、こんなにもあなたに夢中だ。本気です。だから、あと二年、花奏さんも待ってください。」
唇を離し、髪の毛を愛しそうに触りながら私を見つめている。
「あなたが、告白されたり手紙をもらっても、全てを断っている事をオレは知ってる。」
その言葉に、ドクン、と心臓が強く打つ。
「っ!!…な、なんで…!」
「ふふ、見てたら分かりますよ。あなたはオレしか見ていないんだから。」
クスクス嬉しそうに笑って微笑んでいるが、すぐに元の強い眼差しに変わる。
「だから、あなたの初めてをオレに下さい。オレも初めては花奏さんが良い。」
「………えぇ……?……」
私は衝撃的なことが続き、声が出てこなくなっていた。
「花奏さん、二年長いと思うけど、浮気しないでね?わかった?」
「浮気⁈付き合ってない!」
「ふふ、意地っ張り。」
カカシ君の言葉に、私は固まる。
不安を感じ、少年に問い質す。
「カカシ君、また来週も来るんだよね?最近来なくて心配してたんだよ?」
私の声に反応するように、困った顔を浮かべて微笑んでいる。
「無理になりました。すみません。
今日で最後にして下さい。」
その言葉に、思わず、ボロッと涙が出て頬を伝う。いつか来ると理解をしていた。今その日が来るとは思わず、私は全力で拒否をする。