第6章 病院
「花奏さん、大丈夫だよ、一週間ぐらい入院すれば退院出来るから。それより………オビトが……オレに目をくれたんです……オレのせいで、オレのせいで……」
オビトの名前をカカシ君が、口にした瞬間、真っ青になって落ち込んでいく。その姿を見て、外では絶対しなかった抱擁を、我慢出来ずにしてしまう。
「カカシ君……、ゴメン……外でやっちゃいけないのは分かってる、分かってるよ!オビトの事も……分かってる。けれど……今、この時間だけ、少しだけでいいの、あなたが無事に帰った事を喜ばせて……!!」
ギュゥウーっとカカシ君を隙間なく抱きしめ、カカシの体温を感じ、彼が生きている事を身体で実感すれば、ボロボロ涙が溢れ落ちていた。
「花奏さん……っ!!誰かに見られたらどうするんですか?本当に……子供ですね…全然オレから離れられないし…。ふふ、オレの方が年上みたい。」
私はカカシ君が痛々しく笑う姿を見て、思わず、自分から彼にキスをしていた。
「…っ!ん………花奏さん!」
嫌がる彼を無視して、大好きな人が生きてる体温を口の中でも確認したくて、舌を入れ、角度を何度も変えて口付けを交わした。
私は涙を流し目を細め、カカシ君の姿をずっと確かめながらキスをした。
「……恐かった……本当に、恐かったよ……無事に帰ってきてくれてありがとう……カカシ君……。」
彼は、私の口付けを受け入れ、目を閉じ涙を流した。
「花奏さん……ただいま。」
「おかえり……カカシ君。」
ゆっくり唇を離し、ずっと触れていたくて、抱きしめていた。