第5章 十二歳
「………いいえ、ありません。」
「素直でよろしい。カカシ君。」
ちょっと罰が悪そうな顔をして本を読みだした。カカシ君は勤勉で、時間があれば書庫室に行って調べ物をしたり、妥協をしない。少し彼が頑張り過ぎてないか、無理をし過ぎていないか、心配になる。
頑張って準備したメニューをカカシ君にお伝えする。
「あ、今日のメニューはね、唐揚げと、炊き込みご飯に、茄子の味噌汁に、小松菜のお浸しに、ポテトサラダです!」
「え、なんでそんなに豪華なんですか?いっつももっと少ないじゃない。」
「ふふふ、明日はカカシ君が上忍になって任務につく特別な日でしょ?だから前祝いしなくちゃ!」
「あ、ありがとうございます。」
少し照れて言う彼に私はニッコリして笑う。
カカシ君が隊長になって任務につく大切な日が明日だ。これはお祝いしないわけにいかない、と張り切って作り、準備を終わらせ食卓に並べ、頂きますと言って食べ始めた。