第19章 二十六歳
「老けてるって言われて喜ぶ人なんてカカシ君ぐらいじゃない?」
保護者の席に二人で並んで座り、次男坊が出てくるのを待っている。
ふと先ほどの会話をすれば、カカシ君は嬉しそうに笑った。
「だって、そんな風に言われた事なかったからね、凄く嬉しいよ。」
「そんなに?」
「うん、今日夢が一つ叶ったからね」
「夢?」
「昔言ったでしょ?覚えてない?」
"花奏さんが後十年遅く産まれてきてくれたら良かったのに"
「ま、アイツら、本当にそう思ったかどうか分からないけど、あんな風に言ってくれて、オレは嬉しかったよ」
「ふふ、カカシ君の弱み握られちゃったね。」
「あー本当だね、ま、この弱みだったら幾らでも言って欲しいからイイや。」
あどけなく笑うカカシ君に釣られて、私も可笑しくて笑った。
サクモ先生
カカシ君は立派に成長して、先生をして、優しいお父さんをして、忙しい毎日を送っています。
どうぞ私達を天国から見守っていてくださいね。