第19章 二十六歳
「どっち?」
サクラちゃん、唸るように困っている。そりゃそうだよね、本人目の前にいるのに、「十歳ぐらい上ですよね」なんて言えるわけがない。
私が自分から年齢のカミングアウトしようと口を開けた瞬間、サクラちゃんが自信なさげに声を出す。
「カカシ先生の方が、一歳ぐらい上ですか?あ、もしかして同い年の幼馴染とかですか?なんだかいつも仲良しそうだから。」
「「…………え?」」
思わず私とカカシ君がほぼ同時に声を出し、呆気にとられた。
「ご、ごめんなさい!花奏さん、もう少し歳下ですか?私よく分からなくて……。」
「あ、オレも花奏さんが下だと思うってばよ!だってだって!カカシ先生ってさー老けて見えるじゃん!」
ナルト君もカカシ君が上みたいに見えるらしい。
「サスケ、おまえは?」
不意に振られ、サスケ君が無言でカカシ君の方を指差す。
その姿に、一気にハイテンションに変わるカカシ君。
「よーーし、お前ら、明日の任務の帰り、一楽ラーメン奢ってやるよ。」
「えーー!カカシ先生ってば、太っ腹ー!」
「やったー!カカシ先生優しいーー!」
よっしゃー!やったー!と各々喜びを表現しており、サスケ君もなんだかほんの少し嬉しそうだ。
その様子を嬉しそうに笑って見つめている、優しいカカシ先生。