第19章 二十六歳
「花奏さんと、カカシ先生って、どっちが年上なんですか?」
「あ、オレも気になるってばよ!花奏さんの年齢!」
「えっ??見たらわかるでしょ?だって……っ!コラ、何するの!」
「花奏さんは黙って」
カカシ君の目が光り、私の口を押さえて喋らないようにしている。
あーあ、カカシ君の禁断のタブーに触れてしまった。
若い時はよく「お姉さんですか?」と言われて、カカシ君がいつもムキになって「オレの奥さん!」て、本気で怒っていた。
二十二歳ぐらいを過ぎてからやっと徐々にお姉さんとは言われなくてなったけど、最初の頃は酷かったなぁ……。
私よりカカシ君がブチ切れて、それをなだめるのが大変だったなぁ……と、しみじみ振り返って思う。
「サクラ、どっちが上に見える?」
先生のくせに、大人気ないカカシ君の目は、真剣で気迫溢れる姿に、生徒達は引いている。
末っ子の息子も父の姿に馬鹿らしく鼻で笑う。
うん、息子よ、今日は同意見だ。
カカシ君、あなた何をムキになってるのよ、生徒相手に。
親子二人冷めた目で見つめるが、カカシ君は一切気にせずにサクラちゃんに聞いている。