第19章 二十六歳
アカデミーの門の立て看板前でカカシ君にソックリな五歳の息子を、カメラで記念撮影をしていれば、遠くの方から生徒たちの声が聞こえてくる。
「「カカシ先生ーー!」」
遠くから叫び走りながら寄ってくるのは、ナルト君やサクラちゃん、そして歩いてサスケ君がそばに寄ってきた。
「カカシ先生ってば、こんな所で何してんの?」
あどけない笑顔をむけるナルト君。
「見たらわかるでしょ、オレの息子の入学式なのよ」
カカシ君、相変わらずの憎い言い方だ。これは昔から変わらないな、と私は思う。
するとサクラちゃんが、カカシ君をミニチュアサイズにしたような息子に声をかける。
「あ、可愛いーーー!カカシ先生にソックリ!何歳になるの?ちいさーーい!」
ピンク色の髪が可愛いサクラちゃんが目を輝かせて見つめれば、息子は途端に不機嫌になる。
そしてやっぱり、案の定とんでもない言葉が飛び出す。
「黙れブス。男に可愛いとか小さいとか言うなよ、失礼な奴だな」
「なぁぁんですってぇぇーー!!」
青筋を立ててサクラちゃんが叫び怒り出す。
「コ、コラ!!なんて言い方!ゴメンね、サクラちゃん!後でちゃんと言っておくから!」
母親は生意気なガキンチョを叱咤するが、我関せずを貫き無視を始める。
「はぁーー、ったく、相変わらず口が悪いな、お前は。ダメだろ?」
カカシ君も少し呆れてる。
「父さんに似たんだよ」ちびっこがズバリ言う。
「えー、オレはもうちょい可愛いかったはずよ、ね?花奏さん。」
「え?……そうだったかな?こういう所ちょっと似てるかな?」
急に振られ、困りながら答えた。
「えー、花奏さん酷いなー」
するとずっと黙っていたサスケ君が声を鋭く出す。
「似たり寄ったりだろ」
「うわ、サスケまで……」
ションボリしたカカシ君を他所において、サクラちゃんが私とカカシ君を交互に見始める。