第15章 ちょっとこわい
当日の待ち合わせは、学校とは離れたところにされた。
迷子にならないように頑張って歩いて、やっと先生に会えた。
「闇黒聖琉璃夜くん20才身長178センチ体重65キロ血液型天使と悪魔のハーフだから不明武器は聖なる力を持つ闇の大剣アポカリプス今強大な敵に向かって鍛練中なところを私が一目惚れして猛アタック中……さん、おはようございます……」
「なんだそれ」
「ほ、他の子に悟られないようにでっち上げた設定です……」
「それ、何?恥ず…」
「す、すみません……」
先生はいつものように、足の遅い私が迷わないよう手を繋いでくれて、ちょっと嬉しかった。
先生のくれたチケットは、前に私が原作を読んでボロ泣きした小説の実写物だった。
案の定、映画館で私はボロ泣きだった。
恋愛モノだったし、興味なかっただろうに、付き合ってくれたことに感謝しかない。
先生にちらっと感想を聞いたら、
「あのライバルの飼ってた猫、いい演技だったな」
とずっとそれを褒めていた。
「そういえば、ケーキは並ばなくてよかったんですか?」
と本題のことを聞いた。
「もう面倒だから予約した」
(あ、さすが合理性の塊……)
「時間指定もしてある」
(徹底していらっしゃる)