第32章 【番外編】聖域の証明2
久し振りの先生のお部屋は、らしからぬ甘い香りがする。
外で食べるとは思わなかったから、と用意しておいてくれた小さなコンビニケーキの香りらしい。
そのシンプルなベッドに倒されながら、買っておいたというのに、と愚痴を言われる。
「さっき食べたならいらないな?」
「た、食べる…!」
「1日の量を過ぎると眠くなるぞ」
「んんっ、だ、大丈夫だからぁ…!」
いつもより少し乱暴にキスされる。
嫌いじゃないけど、ちょっと寂しい。
もっとゆっくり、触れていたいのに。
短く整えられた髭のせいか、擽ったさがいつもよりなくて、首にチリチリとした刺激がわかる。
「あ…」
後ろ手に長い髪をほどけば、シャープな香りと一緒に降ってくる。
「あぅ、せんせ、電気…」
「消さねえ」
「うぁ…ん、はずかしい…から…」
目をぎゅっと瞑って、それから逃れようと顔に手を被せる。
どんな顔をしてるかわからないけど、なんとなく、見られたくなくて。
「あぁ、せんせ…先生…」
手を払われてしまったので、薄く筋肉のついた肩に腕を回す。
首ではなく、頬に口付けられるのが、嬉しくてお腹の下がむずむずする。
スカートから入った手がソコに触れて、くちゅ、と音がした。
恥ずかしくて顔を背けたいのに、空いてる手で抑えられて、舌を絡めるような深いキスにかえられる。
「ぁぁ…、ふ、はっ……」