第26章 さいごに
足も離れないようにと、身体が勝手に絡む。
「ひぁあっ!あ…うん…っ、そこ、そこぉ…っ!!」
隙間なくこうして繋がっているのに、私がいつも流す涙のせいで、そうなっていたのだと知ると、心だけがどんどん虚しくなる。
「せんせぇ、せんせ…っ!
あっ!すき、すきです、ウソでもいいからっ、さいご、さいごに、好きだといって……?」
肩で息をしながら、感情的な涙を流す。
「ああ、好きだ」
「んんっ!うれしい…!
うそでも、うれしい……。このまま、死なせて?」
きっと上手く洗脳が出来ている。
この気持ちいいまま、心も身体も満たされたまま、私は死ねるのだと思うと幸せだった。
首の継ぎ目にゆっくり先生の手が這わされる。
「そのまま…、絞めて……」
これで、理に背いた私の命は、また終わる。
目を瞑って、緩やかに続く快感に、身を委ねた。