第1章 はじまり
国王陛下のもとへ行く前に
自室へ戻り、荷物を置いていた
『外出禁止にされたらどうしよう』
ショボンとするお姫様にセバスチャンは
自業自得だとも言えず、ただ傍にいる。
執事「王様は…人間がお嫌いなのです。
もし、お姫様が人間に会ったと言えば
外出禁止になるでしょうね」
『どうして嫌いなのかしら…
人間は素敵な物を何でも作れるのに』
執事「お姫様のその好奇心旺盛な性格は長所
でございます。ですが、怖くはないのですか?
「何でも」作れるのですよ?」
『助け合いに使う道具を見たわ!
決して悪い事に使う道具など無いはずよ』
王子様を助けるために人間が使っていた
担架のことを言っていた
執事「……とても申し上げにくいのですが
実は、あるのです。」
『!』
執事「ここから東へずっと泳いだ異国の地
そこで人間同士の争いがあったのです。
我々、人魚は争いは無い。なぜなら、目を
見るだけで互いの心が通じるからです」
『人間は、違うの?』
執事「人間は本心を隠して話す事が出来る
故に、「嘘つき」なのです。」
『…知らなかったわ』
でも、きっとあの王子様は「嘘つき」
じゃないと思うのは私だけなのかしら?
コンコン…
『?』
セバスチャンが大きな貝殻のドアを
開けると、頭を下げた
ビビ「心配したのよ!あぁ、良かった」
いきなり入って来るなり抱き締められた
『お姉様……ごめんなさい』
ビビは私のお姉様であり長女。
とても頼れる存在なの
ビビ「さぁ、お父様の所へ行くわよ」
『えぇ』
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お姉様と一緒にお父様の所へ行くと
ビビ「お父様…」
トリトン「おぉ、ビビか…
は見つかったのか?」
ビビ「えぇ、見つかりました。
…ここへ」
『…お父様、ごめ___』
トリトン「あぁ、…良かった」
言い終わる前に力強く抱き締められた
お父様がどれだけ私を心配してくれたか
この抱擁で分かった
トリトン「何もなかったか?」
『…人間を、助けたの』
トリトン「!」