第1章 はじまり
?「ヒョン!!!」
?「ヒョンが見つかった!」
執事「王子様!」
?「急いで手当てを。
救護班を呼んで下さい」
執事「かしこまりました」
弟らしき王子様2人と執事が
王子様を見つけると先程まで静か
だった浜辺は、一気に騒がしくなる
『助けて良かった…』
救護班が来て、担架に乗せられた
名前も知らない王子様を岩陰から
そっと見守るとは海へと帰っていった
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帰ってきたのは
【 アトランティス王国 】
この国の王様。 トリトン の
娘達の末っ子で生粋のお姫様である。
その一国のお姫様が昨日から居なくなっていて
拐われでもしたのか、誰かに襲われたのかと
国の民がパニックになり行方不明の紙が
あっちにも、こっちにも貼られていた。
きっと執事のセバスチャンにもお父様にも
怒られるに違いないと、覚悟を決め
城へと泳ぎ進めて行った。
煌びやかな装飾品が施された大きな門を潜り
近道をしようとフジツボが沢山ある道を
通ろうとした瞬間、声を掛けられた
?「近道ですか?」
『え?』
振り返ると、そこには声を震わせ
俯きながら両手は握り拳をつくっていた
執事「……全く……今まで貴女は!
どこで!何を!していたのです!」
どんどん詰め寄られ、後ろへ下がると
白い柱に背中が当たった
『ご!ごめんなさいっ!!!』
執事「国中の人々が貴女様の帰りを
寝ずに待っていたのですよっ!」
『謝る。悪かったわ…』シュン
肩を落とし、眉毛を下げながら
うぅ…と目を潤ませていた
の直属の執事である
セバスチャンは、この顔に滅法弱いのだ
執事「し、仕方が無いですね…
監視が行き届いてなかった私のせいでも
ありますからね。」
『じゃあ…許して、くれる?』
執事「許します。…が、今後このような
ことがあった場合、さすがの私にも国王
の怒りは止められませんので、ご注意を」
『分かったわ!』
執事「(本当に、お転婆すぎる)…トホホ」
2人は国王のもとへと急いだのだった
心配性のトリトンが末っ子がいないと
血相を変えていたのをお姫様は知らない