第1章 はじまり
燃え盛る船内には王子様が4人
一人は、顔は王子様達の中でも色白で
物静かで塩対応。しかし、その対応の裏
にある愛こそが魅力的な王子様
一人は、王子様達きっての秀才であり
異国の言葉も独学で勉強しスラスラ喋れる。
他の王子様達には「破壊神」と呼ばれる王子様
一人は、料理が上手で、面倒見が良い
他の王子様達から「ゴマ油はもういい」と
よく注意されるお茶目な王子様
一人は、ダンスが上手で、聞き上手なので
相談役になる事が多い。他の王子様やメイド達
からは「希望の星」と呼ばれている王子様
ユンギ「もうダメだ!お前ら逃げろ!」
ナムジュン「一緒に逃げましょう!」
ホソク「さぁ!」
ジン「ここから行ける!速く!」
迫り来る炎の中、やっと見つけた逃げ道
しかし
ユンギ「……俺は、行けない。」
ホソク「行けないって…?」
ユンギ「置いて行け」
ナムジュンとホビが頭の上に「?」を
浮かべて首を傾けているとジンがハッとした
ジン「……まさか。ユンギ」
少し見えたユンギの足は
木箱と木箱の隙間に挟まっている。
雪の様に白い足首は、船内を燃やし尽くす
炎の様に赤くなっていた。
ホソク「!、さっきので火傷を…」
ナムジュン「担いで逃げる体力はあります」
ホソク「ヒョン!こっちに!」
ユンギの一番近くにいるホビが
懸命にユンギの方へと手を伸ばす
火が二人を隔てている
熱すぎてこれ以上、ユンギの近くに寄れない
伸ばしすぎてプルプル震える手を
まだ一生懸命に伸ばすホビの腕は
すでに、火傷を負っていた。
ユンギ「ホビ!もうやめろ」
ホソク「…っ、でも!ヒョンが!」
ジン「火傷してるんだぞ!」
ナムジュン「ヒョン!掴まって下さい!」
ユンギも手を伸ばそうとした瞬間
ドォーン!!!!
二回目の大きな雷が落ちた。
あっという間に船は真っ二つになってしまった
一気に傾いた船は荒波によって飲み込まれる
ジン「飛び降りろ!!!」
その一声でナムジュンとホビは
ジンに背中を押され、海へと飛び降りた
ホソク「ヒョン!!!」
ドォーーーン!!!!
火薬に火が付き、傾いた船は爆発した
目の前に広がる色は
真っ黒な雲と真っ赤な炎だった