第1章 はじまり
まぁ、何でこんなに歪んじゃったのか
って話なんだけど……
俺には好きな女の子がいたんだ
あれは、初めての恋を経験した14歳の夏
その時の俺は、周りにも分かるぐらい
幸せで溢れていた
ユンギヒョンとグクには
「脳内花畑」なんて言われたっけ
俺の好きな女の子は隣の国の王女様
自分で言うのもなんだけど、容姿には自信がある
そして一国の王子である俺は生まれながらにして
「地位」「家柄」「お金」を兼ね備えている。
舞踏会を開けば、近くの国に住んでいる王女様
は俺たちの容姿を一目でも見たくて来るぐらいだ
そんな俺を放っておく女の子はいなかった。
だから、直ぐにその子も俺を好きになってくれる
そう思っていたんだ
そんなある日、舞踏会を開く事になり
俺は近くにある国や隣の国に招待状を出した
好きな女の子が来てくれるだけでいいんだけど
そうもいかないからね〜
来てくれるかな…と楽しみにしていた。
そして、舞踏会 当日
挨拶に来る女の子はみんな
派手な化粧にキツい香水、重たそうな装飾品
全て“ 見た目 ”を気にしている子ばかり
俺たちに気に入られたくてしてる事が裏目に
出ている。ジニヒョンなんか涙目になってるし
俺の探している女の子はそんなんじゃない。
まだ来てないのかな…と周りを見てみる
「テヒョン…」
後ろから声がして振り返ってみると
シンプルで可愛いドレスに身を包んだ
女の子が一人いた。
来てくれた!!!と嬉しくなって女の子を
紳士らしくエスコートした。
それから2人で一緒に踊って楽しく過ごしていた
すると女の子の友達であろう3人が話があるから
と誘ってきた。
「ちょっと行ってくるね」
その言葉に頷いた。女の子が帰ってくるまで
待っていたんだけど、余りに遅いから俺は
心配になって探しに行ったんだ。
今でも思う____行かなきゃ良かった__って
螺旋階段の隅っこから話し声が聞こえてきた
耳をすませると女の子たちの声だった
「ねぇ、どうだった?」
「彼すごく素敵じゃない!」
「確かに家柄も地位もあるし最高よ」
「未来は安泰ね!」
でしょ、でしょ!
「でも、面白くないの。ピュア過ぎ」
「何となく分かる気がする」
「でも、このまま落とせれば計画は完璧」
計画?え、何それ……