第13章 ACADEMIA
サー「緑谷を差し向けのは…
私とオールマイトの仲を取り持つ為…」
グラントリノ
「いやぁ、キッカケのひとつにでもなるんじゃねェかと思ったんじゃがな…!
歳食うといらねぇ事ばかりしちまうな…
…で、どうだ?」
サー「よく似ているように思います…
私が理解出来なかった…
オールマイトの底に宿った狂気に
よく似ている。」
「ナイトアイ グラントリノ」
後ろからの声に振り向く二人
グラントリノ
「なんだ アイズか」
「お久しぶりですグラントリノ
ナイトアイに話したい事があって…」
サー「なんだ」
「これ…」
紙切れをナイトアイに手渡した
紙を見ようと手を引っ込めようとした時
ユキはナイトアイの手をガシッと掴んだ
サー「!」
ただ真っ直ぐナイトアイの目を見つめた
「信じて……ナイトアイ…」
そういうとユキは手を離して
懇願しているかのような表情をみせた。
その言葉は今日の会議で
口論となった事を示しているのかと思った。
「それだけ……」
別れの挨拶もせずにさっさと帰ってしまった。
私の個性は予知
相手の体の一部に触れた場合のみ発動する
いままで私は何度もユキを
予知しようと試みたが
私と彼女の個性の相性はよくない
私が予知しようとすると
シールドで塞がれてしまう
それと同時に見たくない未来まで見えてしまったら。
私は次第に彼女を予知しようなんて思わなくなった
そんな彼女から触れられた手
彼女の生涯が脳裏に映される
幼少時代の記憶
語られなかった彼女の記憶が流れ込んでくる
サー「なっ…!」
ナイトアイの脳裏に
死穢八斎會若頭地崎の顔が現れた
そこにはペストマスクを付けた
虚ろな目をしたユキが映し出されていた。
薄れたシーンが映し出される
ペストマスクを外しニヤッと笑う
ユキの姿が。
ナイトアイは確証はなかったが、
きっとユキはわざと
自分に見せたのだと思った。
『信じてナイトアイ』
この言葉はきっとこの先の
未来に向けて言った言葉だろう。
グラントリノ
「若いってのはいいね…」
サー「…」
グラントリノがユキから
受け取った紙を覗き込んで言った。
ナイトアイはすぐに紙に目をやった
手渡された紙には綺麗な字で
一言だけ書かれていた
私をみて。