第12章 HERO!!!!!
ミリオ「そうなんです!
まだ新人なんで緊張しちゃって!
さァ立てよ相棒
まだ見ぬ未来に向かおうぜ」
通形が笑顔で治崎に対応し
素早くこの場から立ち去る事を選択した
緑谷にさァと背中を叩いて
立ち上がらせようとした
治崎「どこよ事務所所属なんです?」
一瞬声のトーンが下がり
冷たい眼が緑谷達を見つめた。
ミリオ「学生ですよ!所属なんて
おこがましいくらいのヒヨっ子でして…
職場体験で色々回させてもらってるんですよ」
(明らかに警戒しているな
サーの名前は出せない早めにズラかろう!)
ミリオ「では我々昼までにこの区画を
回らないといかんので!行くよ!」
緑谷「はいっ……」
ミリオの言葉に
その場を離れようと立ち上がろうとしたが
緑谷は怯えきった少女が、
自分のヒーローコスチュームを
掴んで離さないのに気がついた。
「いかな……いで…」
今に泣きそうな目をして
絞り出すような声でそういった
幼い少女の腕には包帯が巻かれており
転んで怪我をしたなんて
レベルには見えなかった。
緑谷「あの…娘さん怯えてますけど」
治崎「叱り付けた後なので」
ミリオ「行こう」(デクくん余計な詮索はよせ!)
緑谷「いやァでも遊び盛りって
感じの包帯じゃないですよね……」
この子が僕を掴んで離さない
治崎「よく転ぶんですよ」
緑谷「こんな小さい子が声も出さず
震えて怯えるって
普通じゃないと思うんですけど」
そうだ自然じゃない
治崎「人の家庭に自分の普通を
押し付けないで下さいよ」
ミリオ「性格は様々だよね!」
(やめろ…!明らかに詮索を嫌がっている!
警戒が強まれば益々シッポを出さなくなる!
無難にやり過ごすんだ!)
緑谷(違う先輩!その方が怪しまれる!
不自然だ!『コスチュームを纏って街に出れば…』
ヒーローが怯えた子供をやり過ごすわけがない)
緑谷「この子に何してるんですか」
ギュッと緑谷の服を握りしめる少女に
緑谷は頭に手を添えて少女を
抱き抱えるようにして治崎に問い詰めた
治崎はため息をついた
治崎「全くヒーローは人の機微に敏感ですね
分かりました 恥ずかしい話しです
人目につくし……こちらに来てもらえますか」
くらい路地裏に入っていく治崎
ミリオ(何かあっても俺が対象する
その子を連れ去るワケにも行かない)